FRC(FIRST® Robotics Competition)とは15歳から18歳の青少年を対象とした世界規模の国際ロボット競技会です。1992年にFIRSTによって設立されて以来、今では世界35か国9万5千人以上の生徒が参加しており、毎年世界大会がアメリカ国内の2都市にて開催されます。日本からも2014年より参加チームが出ており、2018年には世界大会入賞を果たしたチームも出ました。毎年10名以上で構成されるチームが新しいチャレンジに挑むためにチームワークスキルを磨き、約6週間で他チームと戦えるロボットを設計し、組み立て、プログラムし、チームのブランドを確立し、必要な資金を調達します。参加者はプロのエンジニアが使うものと同じ道具:National Instruments社のLabVIEW®を使用し、プロフェッショナルメンターがその時間と才能でチームの成功を助けます。FIRST® Robotics Competitionは学生ができる最も実践的なエンジニアリングであり、全ての参加者に対してプロフェッショナルとなるチョイスを与えるスポーツと考えられています。また、FRCに参加することによって数百もの大学からのプログラム参加者に特化した奨学金を受け取ることが出来ます。
What’s FIRST Robotics Competition?
シーズン動画
95,050
3,802
175
35
FRCに参加するということはただロボットを製作するところだけにとどまりません。FRCでは$6,000(2年目以降は$5,000)という高額な大会参加費がかかりますが、その資金を自分達でスポンサーの企業を見つけたり、クラウドファンディングを行うことで集めるところも行わなくてはいけません。それ以外にも地域奉仕活動を始めとしたアウトリーチ活動を大会のないオフシーズンに行います。アウトリーチ活動とはFRCに参加する上で最も大切な活動の1つになります。FRCでは世界大会出場権を獲得できる賞の1つにChairman’s Awardというものがあり、世界大会でその賞を受賞すると永久的な世界大会出場権を得ることもできます。この賞はロボットに関する評価に対して贈られるものではなく、アウトリーチ活動を始めとしたFIRSTのゴール、目的を果たすお手本となるチームが受賞することが出来、FIRST全体で最も権威のある賞でもあります。
各チームは毎年1月の初めに発表される課題について約6週間以内にロボット製作、調整等を終了し、製作期間終了後各地で順次開かれる地域大会に参加します。
(1)ゲーム内容の把握
FRCでは毎年130ページ程のGame Manualが1月のキックオフの際にネット上で発表されます。ルールの内容、レギュレーションがかなり複雑でわかりづらい場合も多いため各チーム総動員で何度も確認を重ねます。
(2)プログラミング
FRCでは大会側よりライブラリが提供されており、各チームJavaなどを初めとした言語でプログラミングをしていきます。自律制御とテレオペレーションの両方のプログラミングを実際にロボットを動かしながら調整を繰り返して完成させていきます。
(3)ロボットの設計・製作
ゲームの内容を把握出来次第、どのような機構が必要なロボットかを明確にし、チームにとってベストな機構を決め、CADを利用して設計、追加部品の発注等を行い、実際にロボットの組み立てに入ります。本番で使うロボットは製作期間終了後は大会まで触れることが許されていないので、プログラミングの調整、操縦練習等を考慮すると遅くても5週間程で完成させなくてはいけません。
(4)Chairman’s Awardの準備(初年度のチームを除く)
Chairman’s Awardは活動2年目以降のチームが応募できる賞になりますが、応募しないという選択も可能です。この賞に応募するにはチームで行ってきた活動に関するエッセイ、紹介ビデオを大会の前に準備するだけでなく、大会ではジャッジに対してプレゼンを行わなくてはいけないので英語での受け答えの練習を何度もする必要があります。
チームピット
日本チームのロボット
・チームに関する情報を集める。
自分の住んでいる地域から近いFRCチームを探し、コンタクトをとる。実際に日本で活動しているチームもあるので日本でのチームの作り方に関して色々とアドバイスがもらえるはずです。
【日本チームのご紹介】
5701 RAIJINBOTICS (東京) https://raijin-botics.com/
6909 SAKURA Tempesta(千葉) https://sakura-tempesta.org/
7632 冷奴~Cool Guy~(愛知) https://hiyayakkonofrc.amebaownd.com/
8231 BWW(神奈川) https://bww8231.fuji3.info/
8509 Scramble-FRC(京都) https://scramble-robot.org/
8615 SAZANKA Robotics(東京) https://sazankarobotics.com/
8853 Yukikaze Technology(北海道) https://yukikazetech.jpn.org/
9494 Hanabi(徳島)https://twitter.com/FRC_Hanabi
9498 ZENSHIN ROBOTICS(東京) https://www.zenshin-robo.com/
9629 HIBANA Technology(東京) https://linktr.ee/hibana_frc
・コーチ、メンターを探しましょう。
学校、地域等自分の身の回りで支援して下さる大人の方に声をかけてみるのも手です。メンター、コーチの役割は製作期間中の技術的なサポートも勿論ですが、地域奉仕活動、資金管理、チームの申し込み等で御支援頂ける方を最低2名程見つけられるととても良いです。
・申し込み・大会参加費支払い
アメリカのFIRSTの公式ウェブサイトより、チームの登録をすることが出来ます。この手続きには必ずメンターの方が必要です。
・メンバーを集めましょう。
最低でも10人程この活動に興味がある生徒を見つけましょう。募集する際に技術的な経験はFRCに参加するためにはなくても大丈夫だということを必ず伝えましょう。
・資金調達をしましょう。
大会参加費等を賄うにはかなりの額の資金が必要となってきます。そのため、チーム全体で資金集めをしていかないといけません。
・安全面に関する知識を付けましょう。
FIRSTでは安全面を重視しています。ロボットの周りには怪我に繋がりやすいものも多いため、自分の安全だけでなく、他人の安全面を守るためにもFIRSTが出しているSafety Manualを理解しましょう。
・ロボットを作ろう!
楽しくロボットの設計、製作、プログラミングに励んでください!